【2025年版】住宅借入金等特別控除について
2025年の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅購入者やリフォームを行う方にとって重要な減税制度です。この制度を活用することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。2025年の制度内容や変更点について詳しく解説します。
目次
住宅ローン控除の概要
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームの新築、取得、または増改築等を行った場合、年末のローン残高の一定割合を所得税や住民税から控除する制度です。控除率は年末残高の0.7%で、控除期間は新築住宅等で最大13年間、既存住宅で最大10年間となっています。
2025年の主な変更点
- 省エネ基準の適合が必須に:2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、省エネ基準に適合していない場合、住宅ローン控除の対象外となります。具体的には、断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上の基準を満たす必要があります。
- 子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇措置:2024年入居の場合、子育て世帯や若者夫婦世帯に対して借入限度額が上乗せされる優遇措置がありましたが、2025年以降も同様の措置が延長される方向で検討されています。ただし、正式な決定は今後の税制改正の動向を確認する必要があります。
2025年の住宅ローン控除では、省エネ基準への適合が必須となる点が大きな変更です。2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、断熱等性能等級4以上や一次エネルギー消費量等級4以上の基準を満たさない場合、控除の対象外となります。また、子育て世帯や若者夫婦世帯向けの借入限度額の優遇措置が延長される見込みで、これにより一定の要件を満たす世帯は、さらに高額な控除を受けられる可能性があります。このように、環境性能と家族構成に応じた減税が重視されています。
2024年と2025年の住宅ローン控除制度の主な違い
2024年と2025年の住宅ローン控除制度の主な違いは、省エネ基準の適合要件と優遇措置の延長にあります。
- 省エネ基準の適用強化:2025年から、省エネ基準(断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上)を満たさない住宅は住宅ローン控除の対象外となります。2024年まではこの基準が緩和されており、一部基準を満たさない住宅でも控除を受けられる場合がありました。
- 優遇措置の延長:子育て世帯や若者夫婦世帯に対する借入限度額の上乗せ優遇措置が2025年以降も延長される見込みです。この措置は、世帯要件を満たす場合に控除額を拡大するため、多くの家庭にメリットがあります。
- 省エネ住宅の推進:ZEH(ゼロエネルギーハウス)や認定長期優良住宅など、高い省エネ性能を持つ住宅が引き続き優遇される一方、一般住宅への条件がより厳しくなります。
これらの変更点は、環境性能の向上を促し、特定世帯への支援を拡充することを目的としています。
借入限度額と控除額
新築住宅
住宅の種類 | 借入限度額(万円) | 最大控除額(万円) |
---|---|---|
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500 | 409.5 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500 | 318.5 |
省エネ基準適合住宅 | 3,000 | 273 |
その他の住宅 | 0 | 0 |
中古住宅
住宅の種類 | 借入限度額(万円) | 最大控除額(万円) |
---|---|---|
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 3,000 | 210 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,000 | 210 |
省エネ基準適合住宅 | 3,000 | 210 |
その他の住宅 | 2,000 | 140 |
上記は一般世帯の場合の数値です。子育て世帯・若者夫婦世帯の場合、借入限度額が上乗せされる可能性があります。
借入限度額と控除額は、住宅ローン控除で減税される金額を決定する重要な要素です。借入限度額は、住宅の種類や性能に応じて設定されており、認定長期優良住宅やZEH(ゼロエネルギーハウス)など、省エネ性能が高い住宅ほど上限が高くなります。たとえば、認定長期優良住宅の借入限度額は4,500万円で、控除期間13年間の最大控除額は約409.5万円です。一方、一般的な省エネ基準適合住宅では借入限度額が3,000万円、最大控除額が273万円となります。この限度額に基づき、年末の住宅ローン残高の0.7%が控除されます。適用を受けるためには、省エネ性能を証明する書類の提出が必要であり、要件に適合しない場合、控除額が制限されることもあるため注意が必要です。
必要な証明書類
住宅ローン控除を受けるためには、以下のいずれかの証明書類が必要です。
- 建設住宅性能評価書:断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級が記載された評価書。
- 住宅省エネルギー性能証明書:省エネ性能を証明する書類。
これらの書類は住宅の省エネ性能や特定の要件を満たしていることを確認するために必要で、提出がない場合、控除が適用されない可能性があります。
住宅ローン控除の証明書類提出方法
1. 初年度の手続き(確定申告が必要)
初年度に住宅ローン控除を受ける場合、確定申告が必要です。以下の手順で手続きします。
提出書類を用意する
- 住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から発行される)
- 登記簿謄本または不動産取得契約書
- 必要な証明書類(建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書など)
確定申告書の記入
国税庁のホームページや税務署で申告書をダウンロード・作成し、必要事項を記入します。
提出方法
- 税務署窓口に直接提出
- e-Tax(電子申告システム)を利用してオンライン提出
- 郵送で提出
2. 2年目以降の手続き
2年目以降は、勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けられます。
勤務先に提出する書類
- 住宅借入金等特別控除申告書
- 住宅ローンの年末残高証明書
提出時期
年末調整の際に、勤務先の指定に従って提出します。
注意事項
- 書類に不備があると控除が受けられない場合があります。期限内に正確な書類を提出しましょう。
- 電子申告を利用すると、控除適用までの時間が短縮されることがあります。
以上の手続きに従い、適切に証明書類を提出することで、住宅ローン控除を確実に受けられます。
定額減税との関係
2024年から導入された定額減税(所得税・住民税の一定額を控除する制度)と住宅ローン控除の適用順序は、まず住宅ローン控除が適用され、その後に定額減税が適用されます。
住宅ローン控除と定額減税は、両方を同時に活用できますが、適用の順序が重要です。まず、住宅ローン控除が適用され、所得税から年末の住宅ローン残高の0.7%が控除されます。その後、残りの所得税や住民税に対して定額減税が適用されます。この順序により、住宅ローン控除の影響が定額減税によって減少することはありません。ただし、所得税が控除限度額を下回る場合、控除しきれなかった分は住民税から引き続き控除されるため、税負担をさらに軽減できます。この仕組みを活用して、最大限の減税効果を得ることが可能です。
注意点
- 所得要件:合計所得金額が2,000万円以下であることが必要です。
- 床面積要件:新築住宅の床面積は原則50㎡以上ですが、一定の要件を満たす場合、40㎡以上でも適用可能です。
- 適用期限:現行の住宅ローン控除の適用期限は2025年12月31日までとなっています。2026年以降の制度については、今後の税制改正の動向を注視する必要があります。
住宅ローン控除を利用する際には、以下の点に注意が必要です。まず、所得要件として、合計所得金額が2,000万円以下であることが条件です。次に、新築住宅の床面積は原則50㎡以上が必要ですが、一定要件を満たせば40㎡以上でも適用可能です。また、2025年以降は省エネ基準(断熱等性能等級4以上など)を満たしていない場合、控除対象外となるため注意が必要です。さらに、適用期限は2025年12月31日までであり、それ以降の制度については今後の税制改正を確認する必要があります。適用要件を十分理解し、必要書類を揃えることが重要です。
【2025年版】住宅借入金等特別控除のまとめ
2025年の住宅ローン控除制度は、省エネ基準適合要件の厳格化や子育て世帯・若者夫婦世帯向けの優遇措置の延長など、大きな変更が加えられます。特に、省エネ基準を満たさない住宅が控除対象外となるため、住宅選びの際には基準を十分に確認することが重要です。また、借入限度額や控除額は住宅の性能や世帯の状況により異なるため、自身の条件に応じた適用内容を理解し、必要な証明書類を用意しましょう。これらの要件を満たすことで、最大限の減税効果を得ることが可能です。2025年の制度を正しく活用し、住宅購入やリフォームの際の税負担を軽減しましょう。